once again〜season2〜

普通の家に…

「っ、う…頭…痛い…寝かせて…」

いつもと同じ、葛城の声で起こされた。

目覚めが悪い。
頭がガンガンしていた。なんで？
そう思う私の目の前に、葛城の手があった。

「有里華お嬢様。昨日は美玲様達と少し、羽目を外しすぎたんでは？完全なる飲み過ぎですよ。二日酔いです」

はぁ、とため息をつきながら葛城は私に薬を出してきた。

「っう…いいじゃない…昨日は飲みたかったの」

こんな時、常に側にいるって事がどんなに残酷な事なのか…葛城は考えもしていないだろう。

放っておいて、と言った所で放っておいてくれる訳でもなく、何かと私の事を構う葛城を見るのが辛かった。

どうして…私は…

「普通の家に生まれ…なかったんだろう…」

私の心の声が、口に出てしまっていた。