once again〜season2〜
どれくらい時間が経ったのか、気がつくと私は葛城の部屋で寝かされていた。

ここはどこ?

目が覚めた時、ここはどこだろう?と周りを見渡して、気がついた。
ここは葛城の部屋だと。

初めて入る葛城の部屋だった。
あたりを見渡しても、いるはずの部屋の主である葛城の姿は見えなかった。

ベッドで寝かされていた私は、体を起こすと悪い事だと思いながら、葛城の部屋の中を散策していた。

「あ、これ‥懐かしい。私があげた誕生日プレゼント…」

私達が写る家族写真の横に飾られたネクタイピン。
それは葛城の誕生日にと、初めてあげたプレゼントだった。

「何年前のだろう…」

そう思いながら、そのネクタイピンを取ろうとした。

ガチャ

「え…」

手に取ろうとしたその時、ドアが開いた。

「いけませんね…人の部屋の物を勝手に触るとは…」

「あ、いや…これは…」

葛城がドアを開けて立っていた。

でも、そこにはいつもの執事服に身を纏った葛城ではなく、普段着の見たことのないラフな格好だった。

「俺はそんな事してもいいとは、教えなかったけど?」

戸惑う私をよそに、葛城はすぐに私の腰に手を回して、顔を近づけて話しかけてきた。

近い…近すぎる!

顔を動かせば、すぐキス出来るほどの距離で私達は見つめ合っていた。
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