不良な彼と恋の契約

合同イベントは、波乱の予感。

「どうしたの?」

迷わず出した声は、私が出したモノ。

見るからに、嫌そうな仁くんに、私は見つめた。

「いや、知り合いがいるんだよ。
会いづらい知り合いがさあ。
想ーー、俺から離れんなよ」


私はこの時、彼が何を考えていたのかーー
何を思っていたのか、分からなかった。

だけど、あれから数日が経ったある日。

待ちに待った合同イベント当日。


不機嫌な顔の仁くんがいた。

「合同イベントとか、何するわけ?まさかの乱闘始まったら、最悪だな」

相沢くんが言うまさか、が、本当になりそうな予感をヒシヒシ感じていた。





「見ろよ!
可愛い子発見!
レベル高っ」






ちゃらけた赤髪の男。


真っ直ぐに私のとこまで来た。



「えっーー?

あの、何か?」


これが、精一杯。

だってーー至近距離に思わず身を引いた。

先にはーー壁。
トン、と背中越しには壁。

「君、君可愛いね!
名前教えてっ「人の女に、何してるわけ?」




あ、と思って前見たら、私を庇う様に男の手を払って庇う仁くんがいた。

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