不良な彼と恋の契約
「想は、雷大丈夫なのか?」


「うん、大丈夫。
だけどーー私はっ」


ガチャーー



想が、何か言い出した瞬間ーーーー部屋の中が真っ暗になった。


「いやぁぁ!?」




真っ暗な部屋の中。
たしかに聞こえた想の声。


「想っ!?」
.

手探りで探したけど、たどり着かない。
真っ暗に視界を奪われて、身動きが取れない。

「やだぁっ、怖い!」

ただ、、泣いてる君の声を聞いただけ。




パチっ。



しばらくして、暗闇が晴れて目が慣れてきた。

電気が付いたんだ。

「ここ……ろ?」



確かに想はいた。



「大丈夫だーー、大丈夫だよ想っ」


輝に抱き締められ、震えた想がいた。

無理矢理なんかじゃないのは、すぐにわかった。

「ありがとうございます、輝くんっ」


君が、礼なんか言うからーー。

悔しいーーーー。

暗闇の中、輝とは対等だった筈だ。
なのに、停電したあの間にすかさず行ける奴なんていないだろう。

かなりの反射神経しかありえない。

< 195 / 455 >

この作品をシェア

pagetop