不良な彼と恋の契約
「なんか、サクランボみたい。
あんた達」

はあ?
俺達が、サクランボ?
本郷の言ってる意味が、よく分からない。

だけど、なんとなくだけど分かる気がするんだ。

真ん中にある支えが、想でーー二つのサクランボが俺達。

天秤にかけられてるなんて、思わないけどーー。

お互いにサクランボ同士が、ぶつかって側にいるサクランボを弾く。

まるで、ケンカしてるみたいに思えて仕方なかった。


「なんとなくだけど、わかるよ」

白牙の総長である輝とは、近所に住む同い年の腐れ縁。

小さな時から知ってる。
ユリのことは、計算外だったけどね。

まさか、妹で、深い関係にあるなんて。


それが、久しぶりに再会してあったらーー 一緒に住むことになった。

「あ、輝くんの部屋案内するね。
こっち」

場の雰囲気か、斗真が輝と席を立つ。

「あ、輝くんっ。あのねっ」

なんで、想までーーっ。

直感だけど、この先ーー想を奪われてしまいそうな気がするんだ。


想の後ろ姿を眺め、ため息を吐き出した。

< 199 / 455 >

この作品をシェア

pagetop