不良な彼と恋の契約

最強のライバル。

「あの、何か?」

想が、不安げに志貴を見上げた。

「ああ、悪い。
甘宮 想だよね、俺仁と同じクラスの志貴。
初めましてだけど、名前は知ってるよ」

志貴がこんなに喋るの初めて見たよ。
つか、喋れるんだこいつ。

「初めまして、なんで名前っ」

コテン、と首を傾げる想。

なんつーか、可愛い。
「有名だから。
どこ歩いても君の名前聞くからさ。
けど、分かるかも。
なんで有名か。

俺、女苦手だけどーーあんたのことは嫌いじゃないよ」


「「「…………」」」

嫌いじゃないーーって。

志貴の嫌いじゃないは、"好き"ってことじゃんか。

口に出すと現実になりそうだから、言わないけどーーーー。


< 216 / 455 >

この作品をシェア

pagetop