不良な彼と恋の契約
志貴くんは、女の子を泣かす男はきっと嫌い。

その証拠に、相沢くんを睨んでいた。


「あんたが泣かした訳?
彼女、泣いてるけど。
まあ、どうせ、真一とのヤキモチで、当り散らした所か。

妬くのは、勝手だけどーー
女泣かすのは、許せねーな」

志貴くんは、本当にーー真面目だ。

相沢くんや真一くんは、恥ずかしそうに顔を歪めた。

だいたいは、当たっている。
当たられたのが恥ずかしかったのか、相沢くんが顔を手で隠す。


何も言い返せない。

「あたしは、類が好きなのにっ」


ヒカリちゃん。



きっとーー、一番辛いのはヒカリちゃんだ。

好きな人に突き放され、好きな人の目の前でキスされた。


私なら、耐えられない。


「ヒカリ、ごめんっ」

相沢くん。



「ヒカリちゃん、さっきはごめん。
でも好きだからーー。
覚えてて、旅行の合間ーーヒカリちゃんにアプローチするからっ」



真一くん。

全然、めげてない。
私達は、深いため息を零した。


そして、明日はついに旅行。


何も、起こりません様にーー。

願うだけだ。
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