不良な彼と恋の契約

飛行機の上の恋物語。

バスから降りて、少し歩けば空港。

青空が広がって、飛行機が通ったであろう飛行機雲。

グングン伸びる空を眺めた。

「楽しみだね!
あたし、飛行機初めて!!」

「私も。だからちょっと怖いんだよね」

ヒカリちゃんは、初めての飛行機にウキウキだ。
リナちゃんは、初めての飛行機に不安そうだった。


私はーー空に近くなるから、この空のどこかに兄と両親がいる気がして、少しだけ複雑な心境でいた。

だけどそんなことは
言えない。



「私も、飛行機は初めて。
だからね、楽しみだよっ」

自分の気持ちにソッ、と蓋をした。

ん?

視線を感じて振り向いたら、輝くん。

輝くんの隣には、仁くん。

「どうした、想っ」

仁くんが、聞いた言葉になんて答えていいか分からない。

輝くんがニヤリと笑い。
「想は、俺を見てたんだよね!」

あれ?いつもの輝くんだ。

私の気のせい?

いつもと変わらない輝くん。

私の気のせいだよねーー?

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