不良な彼と恋の契約
あれはーーあの後ろ姿は。
確認しなくても分かる。

斗真とーー想だ。
「ーー離してくださいっ」

想ーー?

想の声が聞こえた。

泣きそうな想の声が、聞こえた。


「何してんだよ!」

俺は迷いなく、斗真の腕を掴み引き離した。
斗真が、俺を睨んだ。





「恋は先手必勝。
てめーには渡さねーよ」




はあ!?

今、斗真の口から出た言葉か!?

何こいつ、二重人格か?

「斗真さん、私はーーまだ「大丈夫、この同居で好きにならせる予定だからーー」

ニヤリ、と笑う斗真。

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