不良な彼と恋の契約

想の心。

ーーーーーーーーーー
どこまでも続く、先の見えない廊下。

ホテル内に、君はいない。

「すいません、女の子見ませんでした?
髪の長い、なんつーかーー」

なんて言おう。
可愛い子って、言うのも恥ずかしいし。
ベタ惚れみたいじゃん。

受付の中の20代ぐらいの、若い男。


「あー、あの可愛い子ですね!
なんか、泣きながら外行きましたけど。
こんな時間に、どこ行ったのかはわからないけど、たぶん、近くのコンビニか、海だと思います」


近くのコンビニか、海。
自分なら、ここだろうーーーって思った。


「ありがとうございます!」


きっとーーーー















「何してんの?
危ないじゃん、一人で海とかーー」







暗い砂浜で
背中だけで分かる。



想がいた。



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