不良な彼と恋の契約

心配な夜。

暮れ始めた総合病院も、昼に比べて随分薄気味悪くなってきた。


バタバタ、と小走りの音が聞こえて。
振り返ってみれば、斗真に類もいた。


「類、なんでっ」

「ついでに迎えに行ったんだ。
想ちゃん、入院になるって」

入院!?

あの先生、俺にはそんなこと一言も。

「インフルエンザみたいだから。
何日か入院するだけだからーー」

心配するな、と肩を叩かれーー少しだけ心が緩んだ。

「大丈夫、だよな」


ただ、心配なだけ。

想が居なくなる気がして不安なだけ。

「そんなに心配なら、会うか?」


マスクをして、手を洗い消毒をし入った個室部屋。

小さな体の想は、荒い息を繰り返し寝ていた。
想ーー。


赤い顔の、想がする息遣いが辛そうで見ていて悲しくなった。

「大丈夫だ。
保護者の代わりに、俺が付き添う」


さらに、斗真からの衝撃発言。




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