旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」
俺は雪菜が生まれた日からのつき
合いだ。

「おばちゃん、ゆきな 可愛いね。
 お猿さんみたい。」

  「そう。大夢君有り難う。

猿?
   ほら、雪菜が合った最初の
   男の子だ。雪菜を可愛いって
   一番に言ってくれたの
大夢君だよ。」

「ふうん。じゃあ僕が何でも
 教えてあげるおばちゃん、
だ.か.ら.
 雪菜ボクのお嫁さんにするよ。」

「まあ、大夢ったらマセて‼。」

 母も叔母さんも大笑いしたが俺は
本気だった。
 小さい手が大夢の左手薬指を
しっかりと握った。

 雪菜が大夢の小さなプロポーズに
 返事をしたように思えた。

 風呂のなかで親父にも宣言した。
      「雪菜と結婚する。」

 父親はフッと笑いながら

「じゃあ大夢勉強していい男になれ。
 人生の悩みの大部分は金で解決
出来る事が80%だ。
 雪菜ちゃんが困ったら助けるんだ
 お嫁さんにするんだから
 大夢が守らないとな!! 」


その時親父が神様に見えた。

「そうかぁ、勉強して勉強教える。」

俺も偉くなって雪菜を守らないと、
そう思った。眠くても雪菜のため!!

小さな心は一直線に前に、向いた。

幼稚園から進んで塾にも行った。
三つ子の魂100までとは良く言った
ものだ。

山形大夢当時3歳。雪菜産まれて
一時間後の出合いだった。


「ウワア~アン、ママ、ママ、」

   「大夢どうしたの?」

「だってぇ。雪菜は4の段と7の段
の区別が、何回教えても、覚えな
いんだよう。
しいちがしと、しちいちがしち、
がわからないんだよぉ。

バカなのぉ。」



「大夢は6歳、ゆきちゃんは3歳、
だから、仕方ないのよ。」

「グスッママ、僕は3歳で九九言っ
てたって言ってたよね。」


「アア、アッ、アハハハだったねー
 個人差があるのよ。だから
 その分…。大夢がしっかり勉強
しないとね、雪ちゃんを養わない
とダメなのよ。 勉強勉強 」




大夢はお漏らししそうな雪菜を
トイレに連れて行ったりまるで本当
の兄のように面倒をみていた。
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