姫は王となる。
城までの帰り道、後ろで馬の手綱を握っている風の表情は険しいものだった。
北国の王が、東国の領土に入っていたからだ。
国土大臣の許可を得たと言っていたが、その国土大臣は行方不明。
国境には高く長い柵があり、国を行き来するには国境警備兵に許可書を見せる必要がある。
許可書を申請するには国土大臣を経由して、王族を守る護衛長の風に伝わる。
そして、王である私に承認されれば入国できる。
そういう仕組みになっているはずだがー…
国境の警備兵はどうなっているのか?
北国の王はどこから侵入したのか?
そして、国土大臣の行方ー…
問題は、山積みである。