姫は王となる。
もっと、王としての勉強をしておくべきだったと後悔しても、もう遅い。
「王様は、どう思われますか?」
ドキ。
会議の様子を黙って眺めていると、一人の大臣が意見を求めて来た。
「あ…」
大臣達の視線が、上座に座る花蘭に集まる。
えーっと…
まずは、国民の安全と不安を取り除くことから?
いや、その前に北国に対して何かした方が…
でも、母様が人質に取られているから下手なことはできない…
やらなければいけないことは分かっているが、それを決断していいものなのかがわからない。
きっと、王である私が命令すればすぐに実行されるだろう。
しかし、その決断が正しいのかは自信がない。
王である私がこんなに迷っていてはいけないと思いながらも、大臣達を目の前にして目が泳いでしまう。
「…本当に大丈夫なのか、この国は…」
「!」
静まり返ってしまった会議室に、聞こえてきた言葉。