姫は王となる。
パタンー
静かに閉じた扉。
先に入った風は、窓のカーテンを閉めた。
昼間だがカーテンを閉めることによって、部屋の中が薄暗くなる。
カーテンまで閉めて、何の話をー?
「王様。会議の前にお時間を頂き、ありがとうございます」
風はそう言いながら、目の前に膝まついた。
「そんなことはいい…何かあったのか?」
密室の部屋で、3人で話すこととはー…
「先日の王様暗殺未遂の一件…どうやら、国土大臣が絡んでいる可能性が高いことがわかりました」
「!?」
国土大臣がー…?
「やはり、北国と裏で繋がっていたのですか?」
「!!」
北国とー…?
後ろにいる老婆が言った言葉に、驚いた。
「まだ、尻尾は掴んでおりません。しかし黒服は、北国の人間の可能性が高い。北国と、この国の国境を守っているのは国土大臣です。王様に、国民が不満に思っていると伝え、国境まで視察に来るように誘導したのは国土大臣」
つまりー…
「私を罠にハメたということか?」
視察に出向くようにー…