『The story of……』
わたしは慌てて、教室から飛び出した。
(こんなところから市原くんを見ていたなんて、知られたくない……)
急いで学校の門をくぐろうとしたところで、
「上総っ!」
「……市原くん」
ユニフォーム姿の市原くんに捕まってしまった。
切らした息を整えるように口元に当てていた手を、市原くんがこちらに伸ばす。
「っ市原くん、血が……」
何故か切れた口の端からは、じんわりと血が滲んでいた。
慌ててハンカチを取り出すより早く、
「えっ……」
市原くんに手を取られ、そのままぎゅっと引き寄せられてしまった。
驚きで声も出せないわたしに、市原くんは、
「隆丑に殴られた」
「っ!!」
わたしを抱き締めたまま、言葉を続けていく。
「……隆丑が上総に惚れてるって気付いた時、俺は……自分の感情を隠して、一歩退いた」
「…………」
「壊したくなかったんだ、隆丑との友情」
二塚くんのことを、誰よりも思ってる市原くんだから……そう思うのは当然なのかもしれない。
(こんなところから市原くんを見ていたなんて、知られたくない……)
急いで学校の門をくぐろうとしたところで、
「上総っ!」
「……市原くん」
ユニフォーム姿の市原くんに捕まってしまった。
切らした息を整えるように口元に当てていた手を、市原くんがこちらに伸ばす。
「っ市原くん、血が……」
何故か切れた口の端からは、じんわりと血が滲んでいた。
慌ててハンカチを取り出すより早く、
「えっ……」
市原くんに手を取られ、そのままぎゅっと引き寄せられてしまった。
驚きで声も出せないわたしに、市原くんは、
「隆丑に殴られた」
「っ!!」
わたしを抱き締めたまま、言葉を続けていく。
「……隆丑が上総に惚れてるって気付いた時、俺は……自分の感情を隠して、一歩退いた」
「…………」
「壊したくなかったんだ、隆丑との友情」
二塚くんのことを、誰よりも思ってる市原くんだから……そう思うのは当然なのかもしれない。