5人の王子とお姫様!



「そうやって思えるようになったのは、寮に入ってからだから。
だからね、今の僕があるのはみーんなのお陰!」



そんな琉羽を見て、何かが心の中に渦巻いた。


全然嫌じゃなくて、むしろ居心地がいい。



なんだろう、この感じ。


分からないけど、言えることは一つだけ。



「嫌いじゃない、よ?」


こぼれ落ちた言葉が、もともと大きな琉羽の目を見開かせる。



「琉羽のことも、みんなのことも嫌いじゃない」



“一緒にいたい人”


借り物競争のお題で、どうして5人を選んだのか。


分かってたはずだったけど、今やっと……納得した気がする。



「それ、ほんと?」


「うん」



ようやく実感が湧いてきた。


素直に頷くと、驚いていた琉羽が嬉しそうにする。


……やっと、笑ってくれた。


それが嬉しくて、でも照れくさくて下を向いてしまう。


< 249 / 474 >

この作品をシェア

pagetop