5人の王子とお姫様!



問題児っていうのは、色々と思うところがある。


影を孕んだ私を余所に、面倒な規則よねえ……とぼやきながら、確立した当人はため息をついた。



「にしたって、あんた何者よ。IQいくつ?」


「…?」


「この学校ね、ここ数年で偏差値いくらか上がって試験問題も見直されたのよ。で、試験受けた外部生の中であんたが唯一、満点に限りなく近かったってわけ。
まったく、腹立つくらい優秀な子。一体全体、どんな教育受けたらそんな頭に育つわけ」


「知らな…——」


「なに、代わりにあんたが持ってない軽快さ全部差し出して、そんな湿っぽい性格出来上がっちゃったの?それとも遺伝?あんたのあの朴念仁な父親譲り?」



……余計な口を挟んではいけない。


ここで新たに得た教訓に従うことにした。


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