5人の王子とお姫様!



何が起きたか一瞬分からなかった俺の前を、走り抜けたのは……



「…空!?おい、待てどこ行くんだよ…!!」


たった今、茶髪男を殴り倒した空は振り返る事なく走り去っていった。


呆然と立ち尽くして後ろ姿を見送ると、奴らもついにキレたらしい。


「このヤロォ……テメェら許さねぇからなっ!!!」



怒鳴り声を上げて、今にも殴りかかってきそうだ。


なんか、事態が大きくなってきた。


あんま気は進まねーんだけどな……



この後のことを覚悟して、いつでも応戦できるように態勢を整えると、それをスッと手で制された。



「いいのかな?これ以上騒ぎが大きくなったら、困るのは君たちだよ。なんせ目撃者は沢山いるからね」


聖の言葉に周囲を見回すと、遠巻きにこっちを見てコソコソするやつがチラホラいた。


今来たやつも、どっちが悪いかあいつらの派手な見てくれで判断するだろう。



確かに、不利になるのは俺たちじゃねーな。


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