秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~
「華!そろそろ準備しろって。」

佑介が真っ白のタキシードで入ってきた。

ヤバイ・・・この色気・・・なんとかしてほしい。くらくらする・・・。

「華・・・ちょっとそれダメだろ?」

「なに?佑介こそダメでしょ?」

2人でぷぷっと吹き出す。
いまだにわたしたちはこんなバカップルぶりだ。

「いいじゃん。見せつけてやろうぜ。みんなの前でディープキスしてやるから。」

「バカ。」


そして、結婚式はおごそかに滞りなく行われた。
披露宴は会社のたくさんの人たちも来てくれた。


「瀧。お前先にいきやがって。ふん。」

崎本さんがお酌をしに来てくれた。
どういう風の吹き回しか、最近よく佑介は崎本さんと談笑していることが多い。

「なんで?」
って聞いてみたけど、
「まぁな。男の世界にもいろいろあんだよ。」
と言っていた。

「崎本もはやく見つけろよ。運命のオンナ。」


「及川さん。瀧さんおめでとうございます。」

次にお酌にきたのは本田萌絵。

「ありがとう。」

本田萌絵も、最近は友好的になってきた人物のひとりだ。
前みたいにつっかかってはこなくなった。
写真の件で負い目があるのか?

「お幸せに。」

にこっと笑って、海外事業部の小井沼《おいぬま》くんのところへ走って行った。
二人が最近付き合いだしたという噂だった。
結局本田萌絵が選んだのはわんこみたいなかわいい男子だった。
< 143 / 146 >

この作品をシェア

pagetop