セキヨウに想う
第1章

第1節:憧れる夢と応援する決心


それから、何年が過ぎたのだろうか。
僕の心はあの頃から何も変わってはいない。

何年過ぎたのかさえ分からぬほど朧気なのに。
変わっていないもの。

それは、想い。

好き。

と、いう感覚ではなく。
かといって、嫌いでは決してない。
むしろ……

いや。

応援している。


そう、自分に言い聞かせてきた。
そういう自分、そんな想い。

秘めたかのような想い。
そのようなものは、自分で都合よく変化もさせてしまう。

ただ、そこにはあの夕陽に想った馳せる心があるのだと思う。


だけれど、
永遠なんて物は、この世には無くて。
それは、とても儚くて切なくて。
温い想いの中、冷たく横たわるようで。
景色は彩度を無くして揺らめいているようで。


それでも、
この想いを永遠に心に留めていたくて。


あの時、
彼女の顔をまともに見る事が出来なかった。

だけれど一瞬、
彼女が振り向く時に何かが光に反射して零れた。

その時はそれが何なのかさえ、考えるほどの余裕はなく。


今思えば、それが一筋の涙の欠片だったのだろう。
そう、今なら思う。


そのような想いが、とても懐かしく...

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