カゼカオル
「お前、それを知ってどうする気なんだよ。
変なこと企んでんじゃないなろうな。
薫ちゃんのことになるとお前は狂っちまう。」

「なにもしないよ。本当だと分かるまで。
許せないじゃないか。こんなこと。」

藤田は心配そうな顔をする。

「やめとけ関わるな。
第一お前は今は薫ちゃんの
なんでもないんだぞ。
彩芽ちゃんと向き合うんじゃないのかよ。
また同じことの繰り返しになる。」

繰り返しになる。

僕の熱が一気に冷めた。

「必死になるのは分からなくもない。
変に首を突っ込むと薫ちゃん引いちまうぞ。」

そうだ、僕はなにも変われていない。
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