私達の世界はタイトル未定。
第一章 『花びら落ちた』



~鳰都~

「鳰さん、これ15部コピーして、資料作ってくれる?」

「あっ……はっ、はい」

 社会人になり、私は何とかT大学の大学事務員に就職を果たし、今は中央会館の学生課で仕事をしていた。

 就職面接の際に、病気持ちだということを説明した上でだったが、まさか面接で合格するとは思ってみなかった。当時、よっぽど人手が足りていなかったのかもしれない。

 大学へは進学せず、高校卒業後すぐに社会人になり、私は毎日黙々と事務業務をしている。



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