私達の世界はタイトル未定。
第二章 『何かが始まる時』




~鳰都~

「最近、声の調子はどうですか?」

「さいっきんも……調子は、あまり良くないです」

 病院の個室で私を見るのは、白衣を着た優しそうな女性医師。

「そうですか。部署が変わったんですよね」

「はい……で、電話とか、学生のた、対応が怖くて」

「周りの人のフォローはありますか?」

 学生課に担当が変わった後のことや、課長や道重さん、他の職員の話をし、大きく息をつく。



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