学園スパイラル~七不思議編~
「泳ぎ着いた?」

「ちゃんと泳ぐことが出来たようだよ」

「ひゃっほーう! やったね!」

 喜んで飛び上がった健は誰もいないプールにVサインをした。見えなくても彼に賞賛を送りたいという気持ちからだ。

そんな健の耳に小さく「ありがとう」と聞こえた気がした。

「さて、次に行こうか」

「うん」

「成仏したのか?」

 耕平の声に匠は振り返り、にこりと笑った。


 次の不思議は美術室だ──




 
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