学園スパイラル~七不思議編~
「早く元の体に戻してあげないとね。生き霊を飛ばしたままのこの子は、いつも疲れているはずだから」

 今、この子が何歳なのかは解らないけどと付け加える。

 そうして二人は実験の様子をじっと見守った。

「あ。酸素が出てきた?」

 水の中に小さな泡が浮いてくる。

「成功したね」

 匠の言葉に突然、耕平の膝がガクンと折れた。健がそれを支え、匠は実験道具を片付けていく。

「え? これで終わり?」

「うん、終わり」

 なんだ。あっけないなあ。

 ていうか、ほぼこの学園とは関係ないやつだ。耕平の言うように、高い確率が続いている。

「ハ!? 僕は一体?」

 我に返った耕平が飛び起きる。

「おかえり。つぎ行くよ~」

 状況がわからない耕平は、薄い意識のまま理科実験室をあとにした。




 
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