青い龍の激情
第3章 看病
「じゃあ、行ってくるよ。」

「はい。あっ、これお弁当。」

ユウさんは、私の頬を撫でで、お弁当を受け取ってくれた。

「毎日、ありがとう。」

「ううん。」

見つめ合って、ニコッて笑って、少なくても私は幸せだった。

図らずも、極道の人を好きになってしまったけれど、これは仕方ない。

報われる恋なのかは分からないけれど、今はユウさんの側にいられるだけで幸せなんだから。


そして、その日の夕方だった。

「知世さん!大変です!」

増田さんが、私の部屋にバタバタと、走って来た。

「どうしたの?増田さん。」

「若頭が!!」

「えっ……」

増田さんは、息を切らしていた。

「……組同士の抗争に巻き込まれて、若頭が怪我を負ったって。」

「ユウさんが!?」
< 35 / 85 >

この作品をシェア

pagetop