青い龍の激情
そんな……

そんな!!

ユウさんに、二度と会えないかもしれない。

そんな不安の中で、タクシーは家の前に着いた。

「さあ、着いたわよ。ゆっくり休みましょう。」

お母さんに付き添われ、家の中に入った。

「知世。お茶にしましょう。」

「いらない。」


お母さんの誘いも断って、私は自分の部屋に向かった。

階段を上がって、自分の部屋のドアを開く。

ほんの1週間前まで、自分の部屋として使っていたのに、何だか他人の部屋みたいだ。

「ユウさん……」

部屋の真ん中に座って、目を瞑った。

次から次へと、ユウさんの事しか、思い浮かばない。

あれは、夢だったの?

ううん。夢だなんて、思いたくない。

好きな人と、愛し合った事を、夢だなんて。

私の目から、涙が零れた。
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