青い龍の激情
第6章 黒幕
そのまま、増田さんに釣られるように、車に乗った。

その傍には、ナイフが常にあって、抵抗を一つも許さない状況だった。

「これは、どういう事ですか?」

私は、静かに聞いた。

「後で分かりますよ。」

車はずっと、街の中を走り続けている。

どうやら、ユウさんの屋敷とは、反対の方向に走っているようだ。


しばらくして、車が停まると、私は車の外に出された。

「次は、こっちね。」

増田さんは私の腕を掴むと、とあるビルの中に、入って行った。

そこには何もなくて、ただ広い空間の中に、椅子が一つだけあった。

「そこに座ってくれる?」

言われるままに、椅子に座ると、増田さんの手下らしい人が出てきて、私は紐で椅子に括りつけられた。

「何のつもり?」
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