クリスマスの夜に

 海辺のこの公園。冬のこの時期、この公園に足を向けるのは僕だけだろう。
 誰もいないうすら明かりの中、彼女はそっと僕の隣に腰を落とす。

「お店、今日はお休みなの?」
「ああ、今日はもう店じまいしてきた」
「クリスマスなのに?」
「うん、クリスマスだからね」
「そう」
< 2 / 45 >

この作品をシェア

pagetop