兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
『なぁ、みい。

みいのパパとママはいないかもしれないけど……
今日から、俺がみいのおにいちゃんになる』



『かなめが、みいのおにいちゃん……?』



意味がよくわからずキョトンと見上げた私に、要はまっすぐ視線を向けた。



『そうだよ。俺がみいのおにいちゃんだ……
だから、もうみいは独りぼっちじゃない。

寂しくなったら、おにいちゃんを呼べよ』



2歳年上の要が、3歳の私にはすごくたくましく見えた。



『おにいちゃん……?』



本当にお兄ちゃんって呼んでいいのかわからずに、遠慮がちに呼んだ私に、要はうなずいた。



『おにいちゃん』



なんだかお兄ちゃんができたのが嬉しくて、今度ははっきりお兄ちゃんと呼んだ。



初めてお兄ちゃんと呼ばれた要は、照れくさそうに笑っていた。
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