兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「俺、歩くの早い?」



「そんなことないよ……」



「もっと、こっち来たら?」



「うん」



「桐ケ谷小さいし、迷子になりそうな気がする」



そう言って、新倉君は私の手を握った。



「こういうの嫌?」



私はうつむいて、小さく首を振った。
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