青藍─Seiran─




 ピンクとオレンジ、紫に黄色、古典柄に幾何学模様、お花柄……シフトが重ならなかった私と一君は、先週の街の花火大会には行けなかったから、今回一緒に浴衣を着れることが嬉しい。

「私オレンジにしようかなぁ」

「いいんじゃない、驛さん似合うと思うよ」

 一君は淡い水色の浴衣を手に取ると、宿のスタッフに八階の部屋を案内されて、中は思っているより広々していて綺麗だった。

 この旅館は新館、本館、十階まである大きな宿で、最近リニューアルオープンしたばかりであり、屋上露天風呂と豪華なバイキングが売りだ。




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