俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「俺だけのものにしたいと思った。その笑顔を独り占めしたいと願ったんだ。……そんな気持ちを感じたのは生まれて初めてだった」

情熱的な告白に胸が詰まって返事ができない。


「未経験の感情に戸惑って、答えは出ないのに気持ちが急いて……でもあっさり逃げられて、必死で捜した」

自嘲気味に話す姿から目が離せない。

まるで物語を聞くかのように私は必死で耳を傾ける。


受付での記帳を頼りに私を捜し出した彼は、私が社員だという事実も掴んでいたそうだ。

そこから再会の策を練ったという。


「逃げられないように必死だった」

軽く眉間に皺を寄せて言い返す態度が可愛らしく感じてしまう。


「会ったのも話したのも、ほんの少しだったのに?」

お互いについて、ほぼなにも知らない。

なのに、どうして自分の気持ちにそこまで自信がもてたのだろう。


「誰かを好きになるのは理屈じゃないって、あの時思い知ったんだ」

迷いなく言い切る彼の目から視線を逸らせない。


「俺の言動ひとつに表情を変える姿も、感情がすぐ顔に出るところもすべてが愛しくて仕方なかった。嘘がつけない性格も、仕事に前向きで頑張る姿もなにもかも……お前を知っていくたびに惹かれた」

「私のあなたへの態度なんて、ただただ最悪だったのに……」

「そうか? 警戒心をむき出しにしていたり、意地を張ったり。でも素直に自分の非を認める姿が俺には可愛かった」

クスクス声を漏らす姿に頬に熱がこもる。


そんな姿、ちっとも可愛くない……!
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