犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら




それに加えて、浅香は毎回もれなく私のことを家までしっかりと送り届けてくれる。
これもこの4年間、色々な飲みをしてきたけれど、頑なに変わらない事だった。



同期会で別々のグループで飲んでいても、帰り道には必ず浅香が私の隣にいる。


浅香に大丈夫と言っても「最寄り一緒だから」の一点張りで、今日まで4年間ずっとこの調子だ。



結局私は、浅香の家を知らない。普段全然帰らない家に、今日は寂しく、真っ直ぐ帰るんだろうか。なんてことを思いながら、2人でゆっくりと歩いて帰った。



< 30 / 259 >

この作品をシェア

pagetop