99%アンドロイド

***


修理台の上に座って20分ほど待っていると、ようやくハカセが中に入ってきた。


「待たせたね、A」

「いいえ、ソンナコトはアリマセン」


アンドロイドに「タイクツ」という感覚はない。


だからきっと、ハカセが1年待たせたとしても、ボクは絶対に「タイクツ」することはないし、「イラダチ」を覚えることもない。


ハカセによると、ニンゲンには「カンセイ」が備わっているから、待たされれば「タイクツ」するし、それにより「イラダチ」を覚えることがあるそうだ。


ハカセも若い頃、付き合っていた女性とのデートに寝坊し、物の見事に彼女を「タイクツ」させ、「イラダチ」を覚えさせたことがあるらしい。


「女は面倒くさい生き物だよ、A」


ハカセはいつもそう言うけど、57日前に読んだ本によると、男の方も「ハンセイ」しない生き物らしい。


「ハンセイ」がどういう意味なのかボクには分からないけど、ハカセに聞くと「そんなことはない!」といつも言い張る。


ちなみに猫は凶暴な生き物だ。




「新しいバッテリーは用意したか?」

「ハイ、ここにアリマス」


ボクは右脇に置いてあるバッテリーを持つと、それをハカセに差し出した。


「ヨロシクオネガイシマス」

「おう、任せとけ」


ハカセはバッテリーを受け取ると、白衣のポケットから老眼鏡を取り出した。

近頃はこれがないと修理が難しいらしい。

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