99%アンドロイド

頭の中にその文字が流れると、ボクの体は自動的に起きるようになっている。


重いマブタを押し上げようとしなくともボクのマブタは開くし、カラダを起こそうと力まなくてもボクのカラダはいとも簡単に起き上がる。


そもそも「押し上げる」とか「力む」という感覚がボクには分からない。


じゃあどうして知ってるのかって?


それは、ハカセが「人間はそういうもんなんだ」と教えてくれたから。



「おはよう、A (エー)」


「オハヨウゴザイマス、ハカセ」


「よく眠れたか?」


「…アンドロイドは眠リマセン。ニンゲンでいう「ウナジ」にある電源スイッチをオフにスルコトで、自動的二…「分かった分かった、もういい」」


ハカセは白髪混じりのくしゃくしゃな髪の毛をかきながら笑った。


「Aは真面目だなぁ。そういう時は一言こう答えればいいんだ。
『あなたのことを考えていたら朝になっていました』」


「……ソレは、ドウイウイミデショウカ」


「口説き文句だ。覚えといた方がいいぞ?」


「クドキモンク?」

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