秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

そう言って、不敵な笑みを浮かべる。覚悟しろと言わんばかりに。

怖いけど、そんなお顔も素敵……と、油断していたその隙に。

握られていた手の甲に、唇が優しく触れる。

思わず、淑女らしかぬ「ひゃっ!」と悲鳴をあげてしまった。



「あ、アルフォード様っ!」

「まず……アル、と。愛称で呼んで貰おうかな?ラヴィ?」

「……」

口をはくはく絶句してしまう。急に過激すぎます、こんなの。




でも、そんな私たちの門出を祝福するかのように。

窓から差し込む陽の光は、キラキラと輝いていた。




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