君とのアオハル。
出会えた奇跡
私は立花蘭(たちばな らん)。今日から中学1年生!
どんな中学校生活が待ち受けているんだろう...

私はクラス分けをみて、先輩方に案内され、教室へと向かった。教室に入ると何人か既に着席している子がいた。みんな初対面だから緊張してるみたい...
私は出席番号順の指定された席に座り、前の子に話しかけてみた。
「おはよう!私の名前は立花蘭。あなたの名前を聞
いてもいい?」
「えっと、立花凛です!すごく名前似ててびっくり
した...」
うわ、ほんとに私たち双子みたいな名前だな...
「あ、ほんとだ!私もびっくりしちゃった!凛ちゃ
んって呼んでも大丈夫?」
「うん、もちろん!私も蘭ちゃんって呼んでも大丈 夫?」
「もちろんだよ!私たち名前だけで見ると双子みたいだね(笑)」
「ほんとだ(笑)これからよろしくね!」
凛ちゃんはそう言った。
「うん、こちらこそ!」
ガラガラ
教室のドアが開き、担任の先生らしき人が入ってきた。
「皆さん、はじめまして。私がこのクラスの担任をします、田村です。よろしくお願いします。それでは早速、入学式の会場へ行きたいと思います。廊下に出席番号順1列で並んでください。」

パチパチパチパチ
拍手とともに生徒が入場し、入学式が始まった。
校長先生のお話などを聞いたあと、生徒代表のあいさつがあった。
「それでは続きまして、入学生の挨拶です。入学試験を1番で通過した立花蘭さん、お願いします。」
そうじゃん、私じゃん。
そんなことを思いながら、私は壇上へと向かった。用意された紙の内容を堂々と読み終わると、私は席へ戻った。
その後も順調に式は進み、私達は教室へ戻った。

「蘭ちゃんって頭いいんだね!すごいよ!」
帰りの廊下で凛ちゃんに話しかけられた。
「いやぁ、そんなことないよ!偶然だよ!」
そんなことを言いながら席に着いた。その後、自己紹介などをして、一日が終わった。放課後はクラスのみんな、部活の話で盛り上がっていた。
「蘭ちゃんは部活決めた?」
凛ちゃんが聞いてきた。
「うーん、、、演劇部か吹奏楽部かなぁ」
「え、そうなの!?私吹奏楽部に入ろうと思ってるんだ!このあと時間ある?一緒に見学行かない?」
私はこのあと特に予定もなかったので、凛ちゃんと一緒に吹奏楽部の部室へと向かった。

部室に入ると、楽器の音がたくさんなっていた。先輩方が音出しをしていたみたい。
「えっと、見学の1年生かな?」
部長らしき先輩が私たちを見つけて話しかけてくれた。
「「はい!!」」
私たち二人は元気よく答えた。
「そっかそっか!私は部長の3年、竹本ひかり。お名前聞いてもいいかな?」
「はい、立花蘭です。」
「立花凛です。」
そう答えると先輩方全員がこちらを向いた。
「え、双子!?」「え、入試1位の子!?」
そのふたつの声が聞こえた。私達は面白くて吹き出してしまった。
「えっと、はい、私、立花蘭が入学式で挨拶をしていました。あと、私達は双子ではありません!(笑)今日知り合ったばかりです!」
そう答えると先輩方はざわついていた。
「そうなんだ(笑)わかった、蘭さんと凛さんね。何か吹いてみたい楽器とかある?」
そう聞かれた。私は小学校の頃、趣味でホルンを習っていたので、ホルンにしようかなと考えていた。
「フルートがいいです!」
凛ちゃんがそう答えた。さすが、女子って感じだなぁ...
「おっけー!りか、この子にフルートの体験をお願い。」
「はい!こんにちは、凛さん。私はパートリーダーの中学3年、竹内りかです。よろしくね!」
そう言って美人のお姉さんが1人でてきた。
「よろしくお願いします!」
凛ちゃんがそう言ってフルート軍団の元へと歩いていった。やっぱりフルート吹く人は美人なのかなぁ..
「蘭さんはどうする?」
そう言われて私は我に戻った。
「えっと、ホルンがいいです!」
「おー、ホルンねー!今一人しかいなくて困ってたから助かるよ〜」
おー、ということはホルン決定かなー?
「八木!こっちに来て。この子がホルンを体験したいらしいの。」
そう言ってこっちに来たのはイケメンというわけでもなく、決して整っていない訳でもない、普通の先輩だった。
「はい。中学2年、八木俊彦です。よろしく。」
うわ、私の苦手なタイプかもしれない...
「はい、よろしくお願いします。」
「パンパン。はい、そろそろ部活に戻ってー!体験の子が来た所はその子に優しく教えてあげてね!」
部長がそういうと部室に賑やかな音が戻った。
私は八木先輩についていき、ホルンのマッピをかりた。久しぶりすぎて少し腕が鈍っていたが、決して下手ではなかったはずだ。
そんなふうに自分のしたい楽器を体験し、今日の部活は終わった。
私は凛ちゃんと二人で帰路へとついた。

私達は電車通学で、偶然降りる駅が2駅違いという所に住んでいた。だから帰りはギリギリまで同じだ。
「凛ちゃん、フルートどうだった?」
「うーん、フルートに決定かなぁ」
「蘭ちゃんは?」
私はどう答えるか迷った。ホルンを吹きたいけどあの先輩と2年間同じと考えると...
「うーん、検討中かな〜。ホルン以外にいい楽器もあるかもしれないしね!」
「そうだね!あ、もう着いちゃったみたい。バイバイ、また明日ね!」
「うん、またね!」
そう言って凛ちゃんは電車を降りていった。
うーん、どうしよう吹奏楽部に入るのはほぼ決定として、ホルンでいいかなぁ...はぁ、先輩がもう少しいい人だったら良かったのに...

私はこの時考えもしなかった。まさかその苦手だと言っている先輩に恋をすることになるなんて...
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop