恋愛下手な年下研究者の実験体になりました。



 研究をしている人が所持している鉱石。
 夢が見たいと思ってしまうのは、鉱石好きとして仕方がない事だった。
 自分の右手にある鉱石を調べられるのは少し恥ずかしい気持ちになってしまうけれども、少し我慢すれば見たことがない物が見れるかもしれない。
 そう思うと、ドキドキしてしまうのだ。


 迎えに来てもらうのは何とか断り、日時ら待ち合わせ場所を決めて、店を出た。
 食事代は、「今日見せて貰ったお礼です。」と言われ、律紀が全て払ってくれた。
 




 夜はあまり光らない、右手の鉱石。
 夢は、律紀と別れてひとりで歩きながら、右手だけ手袋を外して、手を挙げて空にかざした。


 「星空か……。今は、そんなに光ってないけど、でも似てる、かもしれない。」


 夢にとって、彼の言葉は最高の褒め言葉だった。

 淡く光る右手を見つめながら、夢はどんな鉱石が見れるのか、そして律紀はこの石のどんな事を調べてくれるのか、楽しみになっていた。



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