水瀬くんは浮気をする生き物です
すん、と鼻をすする音が室内に響いて、うーん、と考えてみる。
「…なんだろうね?」
「は、なにそれ」
「思いつかないってことは、多分全部?」
「……呆れた」
うわ、珍しく本気で引いた顔された。
「もういいや。なんか冷めちゃった。バイバイ」
最後に盛大なため息を吐き出した莉々は、そのままピシャリと空き教室の扉を閉めて出ていった。
ビンタくらいされるかと思ったけど、意外と呆気なかったな。