水瀬くんは浮気をする生き物です



「…大丈夫だから」




少しだけ振り返った蒼くんは、いつもみたいに優しく笑った。



何にも気にしてないみたいに、ひどく優しく。




それが余計私の心を苦しくさせて、また喉に蓋をする。




「…早く用事済ませて行きなよ。忙しいんでしょ」



蒼くんの言葉に、返事はなかった。代わりに響いたのは、小さな舌打ち。




「本当、見る度にうんざりするわ、その顔」




踵を返してリビングから出ていくと同時に吐き捨てられた言葉は、いつまでもそこに残ってるような、そんな感覚に陥るほど、重たかった。


< 234 / 234 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:60

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ぼっちな私と王子なきみと

総文字数/5,493

恋愛(学園)19ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「樹先輩と同じ委員、嬉しいです」 その一言から始まるのは、 ぼっちな私と王子なきみの なんでもない、恋の話。 . : * : . . 「いっちゃん先輩!隣いいですか?」 犬系年下王子 八重 梓(16) Azusa Yae × 「ダメ。あっち行って」 一匹狼系女子 東雲 樹(17) Ituki Shinonome もう友達はいらない。勿論、彼氏も。 そう思ってぼっちを貫いてきた 私の前に現れたのは 年下の、犬。 「いっちゃん先輩!おはよーっ」 「寂しがってると思って、来ちゃいました」 「怒った顔も可愛いですね」 ぶんぶんぶんぶん、しっぽを振り回して 日々私を追いかけ回してくると思ったら、 「…俺は絶対一人にしないよ、樹」 真剣な顔も、するんだね。 2020.10.10
あなたと私の関係

総文字数/82,561

恋愛(ラブコメ)159ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
家政婦と、その雇い主 たったそれだけ それだけの、はずだった。 人気俳優×女子高生 2017.08.05
きみと一から始める私

総文字数/6,042

恋愛(純愛)18ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
仲のいい友達も 胸を焦がすような恋も 全部全部、諦めてた 下を向いて、唇を噛んで 愛想笑いで凝り固まった私を見つけてくれたのは きみ、でした . : * : . . 「俺と友達になってよ」 季節外れの転校生 椎名 千紘 × 「私のことは放っておいてください…」 ワケあり地味子 斉藤 七葉 もう一度だけ、 きっときみとなら 一から私を始められるような気がするの 2019.05.16

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop