夢の世界でキミと、待ち合わせ。
まあ、元々クラス親睦会なんて名目の校外学習に行くつもりはない。
その日は休んで1日バイトするつもりだ。
「…あの、夢野さん…誰とも組んでないなら…あ、あたしと…組みません、か?」
遠慮がちに聞いてきた三つ編みをしている女の子。
「え、っ」
「…ダメ、かな?あたし、組む相手…いなくて……」
俯きながら呟く三つ編み少女。確か、この子の名前は…
「……うん、いいよ。組もうか、桃木さん」
桃木 理沙(ももき りさ)。
入学式の日に担任に無理矢理って言っていいほど強引にクラス委員を任された子だ。
まさかそんな桃木さんが誘ってくるとは。
まあ、入学してから彼女を見ても自分と同じで1人でいたのを思い出した。
まあその日確実にシフト入れられるかわかんないから行こっかな、なんて気まぐれな私。
「……っ!あり、がとう…夢野さん」
「ううん、別に。
…でも、桃木さん。他に組む人はいるの?」
「…あ、えっ…と」
口ごもる桃木さん。
見たところ、居ないんだろうな。
けど、入れて貰えそうなグループがないから私のとこに来た、ってとこかな。