雷王に愛された花
やっぱり、手が足りなくて私も仕事を手伝わなくてはならないこともあるの。

だから自分の身の回りのことはもちろん、書斎の掃除は運動がてらに私がやることにしてる。久しぶりに見つけた本を読み始めて終わらないこともあるんだけどね。

おじちゃんのテガンは元々お城で庭師長をしていたけれど、定年を迎えた時に私たちと一緒に離宮に来てくれた。

お庭の剪定だけじゃなくて温室で一緒に薬草を育てて、街のお店に売ってお金にしたり、自分たちが使うように貯めておいたりしているの。他にも山の木を切って家具を作ってくれたり。

お母さんと呼ぶのがぴったりのマーサは料理が本当に上手で朝昼晩のご飯が楽しみ過ぎるくらい。それに毎週日曜日は4人でマーサが作ってくれたスイーツを食べるの。

ユリンは私の6つ上で教育も作法も教えてくれる。頼れるお姉ちゃんみたいな人。できるだけ少ないお金でおしゃれしたり、美容方法を友達に教えてもらって私にもしてくれたり、長い髪で嬉しいといいながら毎日邪魔にならないように編み込んでくれたり。
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