洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
そもそもだ。
私はテーブルにほおづえをついて考える。

洗脳だと気づいたうえで冷静に考えてみると……。

魔王様ってホントにそんなにスゴいのかな?
と、いうことにも気づいてしまう。

確かに、魔王様のためというモチベーションがあってこそのことではあるけど。

戦術で戦果を上げるのも、それ以前に戦うのも、魔王様じゃない。私は魔王様が戦闘をする姿はおろかまともに動いているのさえ見たことがない。

いつも玉座にふんぞり返っているだけ。

魔法の研究だって、魔法具の開発だって全部魔王様のために別の誰かが頑張るのだ。
魔王様がこんなものがあれば、と一言言えば私たちは必死でそれを叶えようとしたし、魔王様に美味しいものを食べてもらうために品種改良に精を出すし料理人は日々新かな美味を追い求める。

魔王様が人の土地が欲しいというから魔族は戦争をしている。

魔王様は座っているだけ。
ただ一言口にするだけ。

ようするに魔王様本人は何もしていないのである。

「なんてこったい」

私は頭を抱えた。
しかも魔王様はメタボ腹のちょいハゲだ!
よく考えれば見た目もカリスマ性もない!?

「……私のこれまでの時間と努力を返せ~!!」

うみゅみゅみゅみゅ、と私は草原で一人テーブルに頭を突っ伏して悶える。

優雅なティータイムをくれていたはずのティーセットがカチャカチャと音を立てて震えた。

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