洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
こんなの、私には関係ないことと知らんぷりするのがたぶん一番正解だ。

わかってる。
そんなのわかってるんだけど。

『盗賊』

というワードについ私の胸は高まってしまった。

だって、盗賊だよ?
盗賊ってあの盗賊でしょ?

「死にたくなきゃ金目のもん全部おいてきやがれ~!わっひゃ~♪」

って奴でしょ?
私、見たことないんだよね。
本の中とか噂に聞いただけ。

「……うむむ、見たい」

見たい。見たい見たい。
生盗賊、見てみたい!

頭に布巻いてるのかな?
ピッチピチのシャツに小汚いベスト着てるのかな?

「へっへっ」とか笑いながらナイフ舌で舐めてみたりするのかな?

あ、これは全部私の愛読書に出てくる盗賊である。


スローライフに盗賊退治とか不必要かもだけど。
でもこの先のことを思えばここで人助けをして恩を売っておくのもいいかも知れない。

私って人間の国のことはたいして知らないし。
助けるかわりに色々情報を聞いてみるとか?
まあ、ホントはただの好奇心ですけど!

私はとん、と足下を蹴って転移する。
次の瞬間にはすぐ目の前に盗賊さんたちがいた。
突然表れた私の姿に目を丸くする。

私はそれらにニッコリとしてスカートの裾を指の先で持ち上げた。
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