チャラ王子に捕まりました。


思わずドアに寄りかかり聞き入っていると、ヴァイオリンの音が突然止まった。



「はぁ…、ミス多すぎ。無理だ。こんなん聴いてたら寝不足なのもあって、普通に寝そう…。ただでさえ、帰ったら物理と化学やらなきゃいけないのに」



かすかに聞こえてくる晴琉くんの声は心做しか眠そうで、いつもの晴琉くんからは想像できない。



寝不足…?



やっぱりヴァイオリンの練習とか勉強で全然寝れてないのかな…。



疲れてる様子なんて少しも見せないし、晴琉くんいつも笑顔だから全然気づかなかった。



本当は影でこんな努力してたなんて…。



「明るく華やかな場面、幸福感と哀愁ただよう場面の2つがバランス良く……はぁ…、ねむ。やべぇ、早く練習しよ」




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