未定
転校生光は今日も俺の家を訪ねに来た。


「おーい!豆塚くーん!
あーそーぼー!相変わらずでっけー家だねー!!はははは!」

豆塚は戸の開いた茶の間からのっそりと顔を覗かせた。毛布にくるまりながら。

「またお前来たのかよ…暇なのかよ…」
「あ!豆塚くん!!ちわーす!今日もプリント!届けに来たよ!」
「………十文字……ウザ眩しい…お前の笑顔…」目をぎゅっとつぶりながら言った。


プリント届けは今まで委員長がやっていた。委員長は毎日来るのを億劫に感じているようだったので、無くなったと思って嬉しかったのだが…。
いつの日からかこいつが毎日俺の家にやってくるようになった。
最初は金目当てかと思ったが、どうやらコイツは俺が点てたお茶を至極気に入ったらしい。

耳と尻尾でもついてるかのように光が抹茶飲みたいアピールをしてくるので、笑いそうになるのを少しこらえ
「……くれば?」と言った。言ったあとに少し恥ずかしくなった。

くるまっていた毛布を脱ぐと、豆塚の黒い着物に白い肌がよく映える。細長い腕を柄杓に伸ばし、そして手際よくお茶を点て光に差し出した。
光は簡単に教わった作法をぎこちなく済ます。早く飲みたいと顔に書いてあった。

ゴクゴクゴクゴク
「〜〜〜っ!!!!やっぱ美味し〜〜〜ぃ!!!」光は一口で全部飲み干した。
「あっ!あっえっと結構なお点前で……」
「んな所で取り繕わなくてもいいんだよ………」
ぶっきらぼうな言い方をしたが、光がいつも美味しそうに飲んでくれるので豆塚は内心とても嬉しかった。
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