バリトンボイスで囁いて
近付きたい想い
帰りの電車、弘人さんの姿はない

遅い時間じゃないと会えないってことは、
ハードな仕事なんだと察しがつく

私みたいにほぼ定時で帰れることは0に等しい
のかもしれない

どんな仕事をしてるのか合コンでは明かして
くれなかったから、、、


外はもう暗い。
夏なら18時はまだまだ明るくて部屋までの道のりも
軽やかだけど、冬はずんずんと重くなる

駅から5分の殺風景な外観のアパート

私のお給料じゃ、これが精一杯。

部屋にお金をかけるほど裕福でもないしね


「ただいまー」

返事のない、ただいまはシーンとしたワンルームの
床に吸収されていく

< 47 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop