バリトンボイスで囁いて
本当に千佳さんの言う通り存在そのものが罪かも
しれない

見惚れない人がいないもの

官能的な雰囲気と、恍惚を呼び起こすような
バリトンボイス

向かうところ敵なし。

そんな人と話してる私は、一人優越感に浸っていた

だから、弘人さんの言ったことが右耳から
入ることなく、ふわふわと宙を彷徨ってしまった
んだと思う

「じゃあ、約束な。終わったら連絡する」
「へ?あの、、、」

私は無意識に返事をしていたらしく、二重の約束を
してしまったことに気付いた

「イブ。会うんだろ?だから、終わったら連絡する
と言ったんだ。」

え?嘘、、、
どうしよう、、、まさか弘人さんが誘ってくれる
なんて、微塵も思ってなかった



< 79 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop